再び、エレベーターの機械的な音だけが、空気を震わせていた。 しかし、途中から違う音も加わった。 「…っく…ひっく。う…ぅう……ひっ…」 『死んじゃうの?』と言った美咲本人が、自分が言った言葉に怖くなり、泣き出したのだ。 真紀は美咲の頭を撫で、 「死なないよ。大丈夫だから。」 と、なだめた。 真紀は、自分にも言い聞かせるように続けた。 「1階まで降りて、建物の外に出れば、きっと助かるよ。」 それでも美咲は泣き続けた。 真紀は掛ける言葉もなくなり、ただ、頭を撫でていた。