エレベーターの中には、









…輝









だったと思われる、肉と血の塊があった。


四角い空間の中には、これ以上こびりつく所は無いという程、びっしりと血塗られた壁だけが存在していた。


あの、グチョグチョとした太い紐状のものは、内臓だろうか。

その近くには、拳1つ分程の肉の塊も転がっている。



リアルな赤黒い血が、真紀、美咲、琢真の3人の瞳に焼き付いた。

男は離れた所で震えていたが、エレベーターから漏れる、その独特な臭いで、何が6階に届けられたのかがわかった。



血生臭い、胸がムカムカとする臭いだった。

さらに、元・輝(現・肉の塊)からは、焦げたような臭いも放たれていた。

鉄が焼けたような臭いが、6階に充満した。



そこにいた全員が、鼻を覆ってしまう程だった。