慌てる男に、琢真が、なだめるように背中をさすりながら言った。 「大丈夫。ゆっくりでいいですよ。」 「し、しぁ…。うぅ……し、しあ…」 「『しあ』…?なんだ?どういう意味だ?」 琢真が考えている間も、男は『しあ』と『だめ』を言い続けた。 すると、真紀が、わかった、という顔をして言った。 「もしかして…、『した』?『下』…『駄目』……、下へ行っちゃ駄目ってこと?」 すると、男は首を上下にブンブン振って、頷く仕草を見せた。 「やっぱり!」 「でも、なぜ下が駄目なんだ…?」