その時、黙り込んでいた男が体を『ビクッ』とさせ、いきなり、顔をガバッと上げた。 そして、震えてうまく喋れない声で、必死に訴えた。 「あ、あぁ…。だ、だ、だめ…駄目だ、ぁあ。」 琢真が、すかさず男にきいた。 「どうしたんですか?何が駄目なんですか?」 「う、うぅ…。うぅあ。しあ、あぁ…」 男は上手く喋れないことに、焦りを感じつつも、必死に何かを伝えようとしてきた。