校門を出るとまだ肌寒い空気が肌を刺す
「ほのちゃん、確か、学校の裏に稲荷神社あるよね」
「狐のところ?あー、いいかも」
2人で学校に沿って歩く
みんなはまだ入試を受けてるはず
校庭から1年生の元気な声が聞こえる
「先生にバレたらまずいかな」
「あー、ね。大丈夫だとは思うけど…」
そんな話をしているとあっという間に稲荷神社に着いてしまった
稲荷神社といっても小さい地元の人のための神社で、お堂と祠、お賽銭箱があって、その前に白狐の像と鳥居が設置されてる
「お賽銭持ってないし、手だけ合わせよ」
「そうだね〜」
2人で祠の前に並ぶと手を合わせお祈りする
みんなが実力を出せますように…受かりますように…!お賽銭ないけど!!
「あやちゃん、お祈りおわった?」
「うん。帰ろっか」
その後の2週間は授業もなく、あっという間に卒業式になってしまった
多分だけど、合格発表後に落ち込んでる人はいなかったから、みんな受かったんだよね
ほのちゃんが、卒業式で泣くから、つられて泣いちゃったり、
先生が号泣しちゃって学級活動ができなかったり、
とにかく楽しく中学を卒業して新しい1年が始まったんだ