「それは大変だったねぇ」
「もー、災難だよ!!」
次の日、私は学校に着くなり友達のほのちゃんこと水戸穂乃果(みと ほのか)に昨日の話をしていた
ほのちゃんは明るくてほんわかしている子で、周りからはしっかり者ってイメージを持たれているけど、ちょっぴり抜けてる子
私みたいなどこにでもいるような女子に一番最初に話しかけてくれた子
かくいう私、葉月あや(はつき あや)は朝から母親のめちゃめちゃな行動に振り回されることの多いどこにでもいそうな女子
優しい、おっとり、抜けてる、かわいいのヒロイン要素を持ったほのちゃんの友達ポジションを運良く手に入れただけの女子です
とほほ
「あやちゃんは東宝坂高校だよね。高校離れるの寂しいなぁ」
「ほのちゃん…!東宝坂もだけど、ほのちゃんの行く景帝大学附属も結構遠いよね」
私たちは2人とも私立高校の入学を希望していたから、もう受験は終わってる
ほのちゃんの行く景帝付属はあの有名な女子大学の景帝大学の附属高校ですっっごい偏差値の高いところ
私の数倍すごい
「でも、寮だし、女子校だから…!あやちゃんもおばあちゃんの家に行くんでしょ?」
「昨日はそのための引っ越しだからね」
「離れちゃうの寂しい…でも私は、あやちゃんの友達辞めるつもりないからね」
自信満々にややドヤ顔で、いや、しっかりドヤ顔でいうほのちゃんに笑いが込み上げる
「あははっ私も!友達辞めるつもりなし!」
あーあ、この時間が続けばいいのに…
「そういえば、前に「昔、おばあちゃんの家に住んでた」って言ってなかった?」
ほのちゃんが、私の顔を見て聞いてくる
「そうそう。小学校あがる前までね。ほのちゃんに初めて会った頃に、引っ越したの」