ごめんなさい楓くん……


こんなダメな彼女で………


私はスクールバックを掴み、走って教室を出た。


廊下に出ると少し先に先生がいた。


「廊下は走っちゃいけないぞー。」


「す、すみませんっ……ちょっと早退しますっ……」


早口で言ってとにかく学校を出た。


靴を履いて、校門を出て、ついさっきまで歩いてきた道を駆け抜けた。


家には帰りたくない、な………


家に帰ると、楓くんのことを思い出しちゃって涙がまた溢れちゃうから……っ

どっか気晴らしに行こう……


でも、こんな田舎じゃ気晴らしの場所もないかもしれないな……


そう思いながら近くにベンチがあるのを発見した私。


あそこでちょっと休もうっ……

少し錆びている茶色のベンチ。

錆びている部分をちょっとでも触ると破片が落ちてきそうなほど月日の経ったベンチだった

「はぁはぁ……」


たくさん走って息が続かなくなっていく

「楓くんの……ばかっ……」

ようやく息が整った私はそう呟いた。

ふと、スマホを開いてみた。


着信 16件

メール 54件


これを見た私は驚いた。


学校からまだ15分程しか経っていないのに……


クラスラインを開いてみる。


『雪乃さ~ん大丈夫~?』

『今日、早退するってほんと?』

『明日とか、来るんかな。』

そんなメールが何件もあった。

54件って、ほとんどクラスライン……?

一度クラスラインをとじる

そして楓くんのラインを開いてみる。

『今日の夜ご飯何がいい?』

『美雨の作ったのなら何でも!ってそれが一番困るか……じゃあハンバーグ!』

『はーい!』

そう昨日送ったラインを最後に続きはなかった。

やっぱり、冷めちゃったかな……っ

そんなことを考えているせいでスマホの画面は私の涙により濡れていった

「こんなに泣くんだったら、せめてちゃんと別れを言いたかったな……っ」









「別れたりなんかしないけど。」