「吉岡は絶対くる」

「蒼生くん……」

 こういう時の蒼生くんの自信はすごい。

 今日のために数日前から準備をしていた。

 翔太とひな子が調べ上げ、吉岡先生の学校のパソコンへいくつものメッセージを送り続けた。それは、今まで関係をもった生徒たちの名前と写真。少なからずいた吉岡先生へ恨みをもつ生徒からのメッセージ。それを毎日のように送り続けた。

 たとえ『虚言症』という病気で、嘘をついているということに悪気を持っていなかったとしても、さすがに自分のしたことへの後ろめたさはあるはずだ。

 そこへ追い打ちをかけるように、柚からの別れの言葉。今頃は動揺を隠せずにいるんじゃないかと蒼生くんは言っていた。

 この音楽室へ呼び出したのは午後6時。その時間を10分以上過ぎていた。みんなが心なしか焦り出していた頃、陸くんが音楽室へ飛び込んできた。

「吉岡が向かって来てる」

 陸くんの言葉の後すぐに、音楽室に吉岡先生が現れた。