「高校卒業してから告白はされたんだよね

でも真由は大学に行くし教師になりたいから赴任以外でこっちに戻ってくることはないでしょ?」

「まあ、そうだね」

「真由は夢を叶えたいんだ……

決してこの漁師町が嫌いではないんだよ?

地元で教師が出来たらそりゃ嬉しいよ、でも確率の問題だよ」

と真由は話していた

確かに中学1校、高校1校と言ってたから確率は低い


「初めまして、智也くんだね

彼女から聞いてるよ、幼なじみだそうで」

「まあ、そうですね、長い長い付き合いです」

春からの急な男なんて信用ならねぇ

亮介は智也の小さな抵抗にも負けず笑顔で答える

「綺麗な海だね、泳ぐのが楽しみだ

僕、海で泳ぐの久しぶりなんだ」

目の前の海を眺める


「あの、昼食が終わったら泳ぎに連れていくので、真由香に連絡くれるように伝えておいてください

待ってるので……」

「わかった、じゃあ後で連絡さすよ」

亮介は真由香の家に入っていった



真由香にその事を伝え昼食をご馳走になる

「えっ!刺身って昼から食べていいの?」

「もう(笑)亮介さんは……いいですよ、たくさん食べて」

「いただきます」

いつもながら綺麗な食べ方をする

刺身の上にワサビを少し置いて醤油を軽くつけて口に放り込んだ

「うまっ!」

すぐに次の刺身をお箸でつまむ

「真由、見て!こんなにぶ厚い刺身、マグロだね」

目をクリクリさせて嬉しそうだ

「真由はいつも食べてたから普通だよ」

「あっ、そっか(笑)」

「だからスーパーのお刺身って超薄いって思う」

「うまぁ」

幸せそうな笑顔を見せる