次の日、真由香は教室に入りキョロキョロしていた
当然友達はまだいない
座る席はたくさん空いていたけど真由香は前の方に座りたかった
前の方に1人で座っていた子に思い切って声をかけた
人見知りは基本あまりしないほうだ
「隣に座ってもいいですか?」
顔を上げた女の子はクリっとした目にフワフワの少し茶色い髪
思わず真由香でも可愛いとつい口に出してしまいそうだった
「どうぞ」
ニコッと笑ってくれた彼女に自己紹介をした
「石森真由香です」
「私は田口穂乃香(たぐちほのか)です、よろしくね」
名前の響きとか似てるねなんて話しながら大学での友達ができた
すぐにお互いを名前で呼ぶ約束をした
「真由香はどこの高校?」
「私はね、広海(ひろみ)高校って聞いたことあるかな、海に近い漁師町の方なんだけど」
「聞いたことはあるかな、遠いよね?
じゃあ一人暮らし?」
「うん、だからもう少ししたらバイトとかも探そうと思ってるんだけどサークルも入りたくてね」
「バイトね〜、お兄ちゃんが家庭教師のバイトをしてるよ」
「教育学部だから確かに家庭教師とかもいいよね」
「また会ったら聞いといてあげるよ」
会ったら?一緒に住んでないのかな?
まあ、最初からよそ様の家庭の事を聞きすぎてもいけないと思い、うんと頷いた
昼で今日の授業は終わり穂乃香が学食に行ってみる?と言ってきた
「うん、行ってみたい」
初めての学食に真由香は緊張していた
広くて安くてメニューも豊富
キョロキョロしながらお盆をもっていた
1回生ってすぐわかるような行動だったと周りからみるとすぐわかったはずだ
穂乃香と昼食を向かい合って食べていた



