「ナイロンこそ1枚でよかったのでは?
あっ、でも結果よかったですね(笑)」
「え?」
「だって私のに使ってこの後ココアがウンチしたら入れるものがいるし……
ねっ?先輩」
「そうだけど、君に弁償出来ない」
はぁとため息をついていた
「大丈夫ですって、気にしないでください」
「いや、僕が気にするよ
ココアが無事だっただけでもお礼をしなくちゃいけないのに……
あっ、そうだ、あのさ」
「はい?」
「明日もこの公園に来れるかな?」
「まあ、家から近いんで……」
「夕方の6時とか大丈夫かな?
お願いします、来てください!」
「そんな、頭をあげてください」
先輩はそう言っても頭をあげてくれなかった
新手のナンパ?ではないよね
少しの疑いもありつつ、信じていいのかな?
「……わかりました、来ます」
と真由香は返事をした
「本当ですか?」
先輩の顔が嬉しそうにぱっと明るくなった
「はい」
「ありがとうございます、じゃあまた明日」
ココアと一緒に走って行ってしまった
かっこいい先輩だったな
腰が低くて新入生と分かっても時々敬語が出たりして、真面目なんだろうな
少しドジなところも可愛かった(笑)
しばらく帰っていった方向を見ていたが
真由香は卵に気づき急いで家に戻った
そして無事だった卵でかき玉汁を作り、形のくずれたお寿司も食べながらさっきの事を思い出していた
こっちに引っ越してきてからまともに人と話したかもなぁなんて……
夜、布団に入ってからも思い出して1人笑いをしてしまう
楽しかったと目を瞑り眠りについた



