「あんなお兄ちゃんだけどよろしくね

真由香は全然泊まってもいいよ

私が認めた彼女だから」

「ありがとうね、でも亮介さんはこれから忙しくなりそうだけどね」

「サッカーはお兄ちゃんの1番好きな事だからね〜

サッカーしているお兄ちゃんはかっこよく見えるんだよ、昔はよく見に行ってたよ」

「今は行かないの?」

「高校までは両親と行ってたよ、でも……もういいかなって(笑)」

きっとサッカー部を辞めたからだと真由香は思った

サッカー部を辞めたことは亮介さんの家族にとってはわたしでは分かり得ない大切な出来事だったんだな




週末を迎えていた

今週はサークルもお休みをしたから亮介さんには会えなかった

LINEはくれていたけど

「暇だな……」

日曜日の朝だった

サッカーでも見に行ってみようかな

試合会場を調べてみると駅から近かったのであまり歩かなくてすむなと思い試合を見に行った

スタンドから見下ろす

あっ、いた……え?サッカー部じゃないのに11番なんてつけてる

いいのかな(笑)あの位置はフォワードだし、やっぱり上手いんだー

暫く見てると亮介がシュートを決めた

「おー」

真由香はパチパチパチと拍手をした

リーグ戦が始まると言っていたから公式戦なんだな、応援のチアリーダーとかがいる

シュートを決めた後に亮介は応援席に手を振った

「キャー、田口くーん」

「亮介くーん」

「せんぱーい」

次々と黄色い声援が飛ぶ