そしてポケットからナイロンの袋を出して買い物の袋を入れ2重にする
「卵……割れちゃいました、弁償します」
誰が見てもイケメンというであろう男の人は申し訳なさそうに荷物を見ていた
真由香は袋を覗く
「大丈夫ですよ、全部割れたわけではないので気にしないでください」
「でもお寿司も寄って……ぐちゃぐちゃだ」
「多少寄っても食べれますよ」
「いや、申し訳ないです
1人前?一人暮らしですか?
あっ、こんな質問いきなり会った人に失礼ですよね……
すみません、すみません」
腰の低い人だ
「あの…」
「はい?」
やっと相手とちゃんと目があった
「そんなに謝らなくても別に怪我とかはしていないので本当に大丈夫ですよ(笑)」
何か最初にかっこいいと思ったけど謝る姿はまるで実家で飼っている犬のようで……
この人が可愛くみえてきた
「あっ、ごめん……あっ、また謝っちゃった」
言い方が違うだけだ(笑)
真由香はおかしくて笑ってしまった
しっかりと大丈夫ですともう一度真由香は言った
でも真由香は可笑しくなってずっと笑ってしまっている
「笑ってすみません
はい、この近くの大学生です
今日入学式で(笑)」
そう言うと少し落ち着いてきたようで
「新入生なんですね、ようこそ!
僕は3回生です」
またペコリと頭を下げられた
「じゃあ先輩ですね!よろしくお願いします」
真由香も頭を下げた
「こちらこそよろしく、楽しい学生生活を」
と話した先輩は服のポケットを何やら探しているようで……
「あ〜急いで出てきたから携帯も財布も忘れてきたようだ」
代わりにナイロン袋がもう1枚出てきた



