そう言うとまた顔を上げたその人は笑顔だった
少し胸がキュンとなったような気がした
「いつもは妹が普段は世話をしていてね
まだ僕にあまりなれてなくて……
今日は用事があって頼まれちゃって」
リードを持っていた手を頭を掻くように上にあげたからココアはびっくりして真由香に飛びかかった
「キャッ!」
グチャ!
「あっ!」
驚いた真由香はココアに飛びつかれて尻もちをついた
そして持っていた荷物を離してしまった
卵が……
2人は買い物袋を見るとゆっくりと液体のしみが広がっていく
「わ〜すみません!すみません!」
笑顔から一転心配そうな顔になる
「大丈夫ですよ」
真由香がそう言うと飼い主は真由香の片手を持ち立たせてくれた
えっ!?
ふわっと体が軽くなってすぐ立ち上がれた
「怪我はしてない?大丈夫ですか?」
と声を掛けられ
「あっ、はい」
と答えると手で服をはたいて汚れを落としてくれる
でも尻もちをついたから汚れてるのはお尻な訳で……
「本当にすみません!すみません!」
と謝られているものの真由香は初対面の人にお尻を触られているのだ
故意ではないのはわかる
「あの……もう本当に大丈夫ですよ」
と声をかけた
「あっ!すみません…女性なのに失礼しました」
ようやく自分がお尻を触っていたのに気づいたようで……
ペコペコとまた頭を下げ始めた



