公園を少し歩いていると
「ココア〜待てよ!」
男の人の声がした
見ると少し前に小さな犬が走っている
リードを引きずりながらご主人様を振り切って走っているのだ
真由香はしゃがんで犬の前に手をかざし
「ココア、ステイ」
と言ってみた
ハァハァと息をしていたココアは止まって真由香の手のひらを舐めた
ちゃんと躾は出来てる……
「おすわり!」
ココアはおすわりもできた
「いいこだね〜よしよし」
真由香はココアの体をクシュクシュと撫でた
「すみません!ありがとうございます」
追いついてきたご主人様はすぐにリードを持った
ハァハァとココアと同じように息を切らしている
ココアはシッポを振って真由香の手をずっと舐めていた
「いい子だったね〜ココア」
ココアの頭をヨシヨシと真由香はなでる
「大丈夫ですか?」
真由香はしゃがんだまま顔を上げて飼い主に声をかけて見た
わっ!かっこいい人だ……
飼い主は真由香の前にしゃがみ同じ目線になった
「ココアを止めてくれてありがとうございます」
にっこり笑った
「い、いえ……」
爽やかな笑顔に真由香は少し照れて、思わず目を反らせてしまった
「さっきゆっくり歩いてたら他の犬に吠えられてびっくりしたみたいで急に走り出してね
僕まで驚いてリードを離しちゃって……
申し訳ない」
しゃがんだまま頭を下げた
「いえ、名前が聞こえたので呼んでみただけです
実家でも犬を飼ってますから
可愛い小型犬ですね」



