あっ、そうだ

「これ……」

鞄と一緒に持って帰った袋を渡す

「あっ、志穂がどうしてもって……」

「そう」

「もう、最後にしてくれる約束で貰った」

「開けてもいい?」

「いいよ、サッカーの靴下らしい」

真由香は靴下を裏表とひっくり返していた

ナイロンに入っていてガサガサと音がする

「真由が嫌なら捨てるよ

元カノのプレゼントなんて普通受け取らないし」

「うーん……」

「真由?」

「亮介さんの足には合わないみたい(笑)」

真由香はくるっと振り向くと靴下を見せた

「レディース用のサッカー靴下になってる」

「……マジかよ」

亮介は気が抜けたようにベッドに横になった

「やっぱりどっか抜けてるんだよな……」

大きなため息を亮介はついた

「どうする?これ」

「塾のサッカーやってる生徒にあげるよ

子供なら履けるだろ」

「そうね、捨てるよりいいかもね」

真由香は靴下を亮介の大学へ持っていく鞄に入れた

亮介の側に寄っていく

「今日……どうして呑みすぎたの?

お腹に入れなかったの?」

「お通し食べたよ、あと唐揚げ」

「あまり酔わないんじゃなかった?」

「呑まされた……みんな真由の事聞いてくるんだし」

「もう……」

真由香は照れた

亮介さんがちゃんと紹介してくれたのは嬉しかったし、今日の活躍は確かに凄かった

「真由……」

「ん?」

「同棲したい」

「えっ?酔ってるでしょ」

「少しは酔ってるよ、でも最近よく考えるんだー」

「……」

「駄目?」

亮介さんのしゅんとした顔を見るとつい何でもいいよっていってしまうけど……

ここはやっぱり

「……まだ早いと思う」

「そっか」