「名字…言ってなかったっけ

あー、昨日お詫びに食事に行ったんだよ

LINEの交換もしてお互いが下の名前を登録してたからそれで名前呼びしてた

ねっ、真由香ちゃん」

「ですね(笑)」

そういえばそうだ……

「真由香ちゃんサークルに入る?」

真由香は笑顔で頷いた

「じゃあ、もう入部届けを出しておいでよ

穂乃香、部長のところに行っておいで」

「はーい、行こ、真由香」

「うん……」

真由香が後ろを向くと亮介さんが手を振っていた

真由香も小さく振り返す

部長の所へ行き、次回のサークルの日と新入生歓迎会の要項をもらった

「歓迎会は来週の金曜日だね」

穂乃香は携帯のスケジュールに打ち込んでいた

「だね、まさか、穂乃香と亮介さんが兄妹とはちょっとびっくりした」

「そう?顔は似てないかな〜」

穂乃香はクリっとした目だけど亮介さんは少しタレ目で優しい雰囲気だ

でも穂乃香は可愛いし、亮介さんはかっこいいから両親の遺伝子は受け継いでそうだな

「さっき先に会った正臣さんがお兄ちゃんと高校からの親友でね、家にもよく遊びに来ていたの、いつもつるんでた」

「今日も2人には人がたくさん集まってたね、で、穂乃香は正臣さんが好きと(笑)」

「えっ何で?」

穂乃香の顔は赤くなった

「ん〜勘?(笑)」

「もう、真由香ったら…

お兄ちゃんが去年から一人暮らしを始めてね、家に来なくなったんだー

ちょっと寂しい」

「そうなんだ」

「でも、多分正臣さんとお兄ちゃんが2人で仲良くしてる所を見るのが好きだったんだろうなって思うんだよね」

「ほんとに?」

「うん……お兄ちゃんはまあ顔はいいけど天然ポンコツだからそれを正臣さんが助けてるって思う」