「お兄ちゃんもある意味不器用なのかな

正臣さんには本音を言えてるんですね」

「親友と認識されてるからかな(笑)」

「……正臣さんは?
お兄ちゃんの事詳しいけど自分はどうなんですか?

全く噂を聞きませんが……」

「俺は……まあ……どうかな(笑)」

「いい人がいるんですね(笑)」

「内緒……」

正臣はそう言うと部室を出ていった

いないとは言わなかった

やっぱり彼女いるんだ……

わかってたことじゃないの


真由香は体育館で大会のある日に空いていた彩と出ることにした

サークルも終了時間になりみんな部室に戻ってくる

次回出れるのがわかっている人はホワイトボードに書いて帰るのだ

亮介はボードに暫く休みと書いていた

「お兄ちゃん…」

「何?」

「今日真由香に助っ人依頼がきたの」

「あー、途中に抜けたな」

「バドミントンサークルだよ

それもご指名」

「…あーなるほど、仕方ないな、真由香ちゃんは引き受けたんだろ?」

「もちろん……次からサッカー?」

「うん、リーグが始まる」

「もう前みたいな事はしないでね」

「わかってる、これからメシ食うし…

じゃあ」

亮介はそのまま真由香の家に寄った

ん?鍵が閉まってる

「もしもし?真由?どこ?」

「今、スーパー、上がってシャワーしてていいよ」

「わかった」

亮介は合鍵で真由香の部屋に入ってエアコンを付けた

まだ残暑が厳しい

シャワーをして冷蔵庫からビールを出す

プシュ!

真由の冷蔵庫にはいつも2本のビールを入れている

僕がケースで買って置いてあるのだ

真由の料理はやっぱり呑みたくなる