10 (嫉妬とかやきもちとか)


「一ノ瀬くん、今日の放課後、委員会あるって。」


「あぁ、分かった。」


あれから、一ノ瀬くんとは当たり前のように話すようになった。


やっぱり女子からは睨まれるけど、その度に一ノ瀬くんが女子に冷めたような視線を向けるから、直接的な被害にはあっていない。


それに、一ノ瀬くんがいない時はいつも文香ちゃんがいてくれるから私からしたらとても安心感ある。




─そして、やってきた放課後。


「一ノ瀬くん、先行ってるね。」


「ダメ。何かあったらどうすんだよ。」


何かあったらって…家族に加えて、一ノ瀬くんまですごい過保護になってる…。


「あのね…付き合ってるわけでもないんだし…」


勘違いされたら困る。