「なわけねぇだろ。男なんてみんな獣なんだよ。俺がどれだけ牽制してるか分かってないな。」


「牽制?」


「あぁ。叶愛のことエロい目で見てるやつ、全員に、睨みきかせてる。」


うわぁ、可哀想…絶対私の事見てないでしょ、ただの一ノ瀬くんの勘違いだよ。


ていうか…そんなことして…


「私に彼氏出来なかったら一ノ瀬くんのせいだからね!私だって青春したいのに。」


「…叶愛、何言ってんの。」


何言ってんのは、一ノ瀬くんの方でしょ!


「叶愛は俺のもんにすんの。ずっと言ってるだろ。」


「それとも何?好きなやついんの?」


いない、いない!


一ノ瀬くんの目の圧が怖すぎて、焦って首を何度も横に振る。


「そう。」


あまりにも意味深な返事に私は恐怖を覚えた。