8 (救ってくれたのは…)


修学旅行、2日目の夜、私たちは旅館にある、大浴場に入ることになっていた。だけど、お風呂の時間はバラバラみたいで、先生に頼み事をされていた私は、文香ちゃんに先に入ってもらっていて、女子の1番最後だった。


部屋に文香ちゃんはいなくて、それを見計らってか、同じ部屋になった女の子4人が私を取り囲んだ。


「早乙女さん?早くお風呂行ってきた方がいいわよ。」


「うんうん。」


「え?あ、そう、だね。ありがとう。」


今、旅館は私達の学校で貸切状態。


だから、大丈夫だと思ってたんだけど、もうそんな時間かな…。


「行ってくるね。」


私は笑顔を作ってしまった。この後大変なことになるとも知らずに…。