放課後になって、誰もいなくなった教室に残された俺と叶愛。


そんな静寂を断ち切るように叶愛が口を開いた。


「何で…あんなこと言っちゃうの?」


「思ったこと言っただけだけど?」


「……あんなことを公に出して言うなんて…」


ブツブツと呟きながら俯いて、窓の縁に手をついた叶愛。


そして……


「もう、生きていけない…。」


何て、俯いた。


その隙間から、涙がこぼれるのが見えた。


「え?叶愛…?」


「……」


俺に名前を呼ばれた叶愛は乱暴に目元を拭うと、一言呟いた。


「…ごめんね。」


何とも読み取れない表情で告げて、小走りで教室を出てしまった叶愛。


っっ、どうすればいいんだ……。


叶愛は俺にあんなことを言わるのが泣くほど嫌だったのか…??