「ごめんね、一ノ瀬くん。」


話は盛り上がり過ぎてしまって、気づけば8時30分をまわっていた。


「いや、大丈夫。」


「それに……同居なんて…」


一ノ瀬くんは絶対嫌なはず。だけど、あの場の雰囲気的にきっと、断れなかったんだろうなって……思う。


「俺としては嬉しい限りだけど。」


「え?」


「まぁ、理性が保つかが問題だな。」


私の声は聞こえていないのか、1人でブツブツと言っている一ノ瀬くん。


「一ノ瀬くん?」


「1ヶ月よろしくな、叶愛。」


「う、うん。よろしくね…?」


なんか、私より一ノ瀬くんの方が楽しそうなんだけど…?なんで?


この時は、疑問を浮かべていた私だったけど、後に一ノ瀬くんの笑顔の意味を知ることになる─