「映画とかも行くの?」
「行きますよ。ミステリー・サスペンス系ばかりですけど。」
「邦画?洋画?」
「どっちもです。」
「そうなんだ。俺も行くよ。俺も、ミステリーとかサスペンスも行くし、歴史的な感じのやつやアクションも見に行くよ。」

『俺って言うんだ。』

「アクションは見たことないかも。」
「そう?」
「じゃあ、今度、一緒に行く?今、丁度見たいのやってるんだよね。行こうよ。」
「え?」
「デートの誘いです。」
「あ、はい。」
「OKってこと?」
「はい。」

『デートに誘われた。どうしよう。でも、行くって言っちゃった。』

「じゃあ、今度の金曜日の夜は?」
「はい、大丈夫です。」
「じゃあ、決まり、気づいたら、12時だね。もう寝なくちゃね?」
「そうですね。」
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
 電話は切った。