端っこに置かれたテーブルには、金属片や工具が散らかり、大きめのシャツにオーバーオールを着た男性が工具を手に何かを作っている。

「あの、ユウゴ・ブルーさんですか?イヅナ・クリアウォーターと言います。発信器を受け取りに来ました」

「ん?ああ、君がイヅナちゃんか〜!」

丸いメガネをクイと上げ、ユウゴは顔を上げる。どこか幼い印象を受ける顔立ちだ。

「ちょっと待ってくれ。確かここにしまったんだよな〜」

ユウゴは椅子から立ち上がり、近くに置かれた棚を漁る。整理されていないのか、棚からは書類やネジなどが飛び出してくる。しかし、それよりもイヅナは気になることがあった。

「ユウゴさん、その足って……」

ユウゴが動くたびに、足がギイギイと音を立てている。ギルベルトが左腕を動かした時と同じ音がする。

ドクドクとイヅナの心臓が音を立てた。その音は、血の通う足ならば決してなることのない音だ。

「君のお察しの通りさ」