(こうなったら、私が間に飛び込んでその時に発信器を……)

イヅナは発信器を握り締め、戦うレオナードとイヴァンを見つめる。イヴァンはレオナードや式神からの攻撃を避けるのに夢中になってるように見えた。

(レオナードの攻撃が当たってしまうかもしれないけど、仕方ないわ)

イヅナは覚悟を決め、走り出そうと足を踏み出す。刹那、風を切る音が耳元で聞こえ、イヅナの手の中から発信器が奪われていた。

「えっ……」

目の前の光景にイヅナは目を見開く。それは、レオナードとヴィンセントも同じだった。

イヴァンが蹴り飛ばされ、ドラゴンが破壊した瓦礫の山の上に倒れている。そして、それをベラが冷ややかな目で見ていた。

「君、戻ってこないと思ったら……やっぱり……」

咳き込みながらイヴァンはベラを見上げる。ベラは「ええ、そうよ。お察しの通りこちら側についたの」と言い、続ける。

「あなたたちの洗脳はもう解けてるわ。だから、あなたの呪いは私には効かない!」