ユウゴがオーバーオールのズボンを上げると、そこにあったのは機械の両足だった。イヅナは言葉を失い、喉から「ヒュッ」と空気だけが漏れる。

「昔はさ、ツヤさんが俺の上司だったんだ。あの頃はすごかったんだぜ?大刀を振り回して妖を斬りまくって、後輩から慕われて一般人守ってる自分が闇に打ち勝つ星や太陽みたいに思えた」

でも、とユウゴの表情が暗くなる。

「任務である村に行った時だった。雪男と戦っている時に、逃げ遅れた住民がいることに気付いたんだ。その住民を庇った際に両足は吹っ飛んじまった。……両足を失って、もう戦えないってわかった時は何度死にたいって思ったかわからなかったよ」

「あの……ごめんなさい……」

辛かった出来事を思い出させてしまったことを、イヅナは頭を下げて謝る。すると少し乱暴に頭をわしゃわしゃと撫でられた。

「いいんだ、もう昔のことだからな。それに今は、この発明っていう新しい仕事に生きがいを感じてるからよ」