君と私の近距離恋愛

そう決心してから
わたしはいつもの調子に戻っていた。

アユミ先輩も、機嫌よさそうに
わたしにボールを送ってくる。

「翆ちゃん、ストレート!」

「はい!」

わたしは、ボールより先に回り込んで
ボールをコートに返した。

その時、わたしはコート内に転がっていたボールに気付かなかったせいで
ボールを踏み転んでしまった。

ドンッと鈍い音がコート内に響いた。

「…ったた」

わたしは、ゆっくりと体を起こした。

「だ、大丈夫?」

慌てて駆け寄ってきた愛莉が心配そうに言った。

わたしは、苦笑いをして
ゆっくりと立ちあがろうとした。

が、右足首を挫いたせいか
わたしはバランスを崩し
後ろに倒れそうになった。

その時、ふわっと体が宙に浮いた。

「え?」と、振り向いてみると
そこにいたのは、貴也だった。

貴也は、軽々とわたしを抱き上げて
「保健室いってきます」と
コートから出て行った。