わたしはいま、恋をしている。

あと一歩で届きそうなのに
あなたはそれを知ってるかのように、また一歩とわたしから離れてく。

近そうで遠い、あなたとわたしの距離。

「翆ったら、ぼーっとしすぎ」

空ばかり見ていたわたしに
愛莉はため息混じりに言った。

「ごめん、ごめん
考え事してたから…」

そう言うと、愛莉は
わたしの心を読んだのか

「またアイツのこと?」とニヤついた。

さすが、愛莉
勘が鋭い。