その日から、わたし達は正式に付き合うことになった。

周りにそのことを伝えたが
大して何かが変わる訳でもなく
ただ1つ、変わったといえば
わたしたちは「幼なじみ」から「恋人」に変わったこと。

「明後日から一週間、合宿があります」

部活のあと、顧問から合宿について話があった。

明後日から一週間
学校に泊まって部活に専念する。

わたしにとっては、二回目の合宿になる。

帰り際、わたしは貴也に声をかけられた。

「翆、明日ひま?
合宿の買い出し行こうぜ」

「あー、いいよ」

「じゃ、明日の昼迎えいくから」

貴也は、わたしの肩をポンと叩いた後
さっさと帰って行ってしまった。

「あんたら付き合ってんじゃないの?」

後からやって来た愛莉が
不思議そうに言った。

「え?うん、そうだけど…」

「あいつシャイボーイ?
性にあわないねー」

愛莉は、からかうようにいって笑った。