これは、僕が現在進行形で
体験している話です。


   ~20○○年 4月8日~
 「隼~、早く起きなさい!今日から、学校だよ。」
(あぁ起こされた。朝からめんどくさい)
「ほら、いつまで寝てんの!」
行くしかないみたいだ。
しょうがないから着替えて階段を降りる。
「あ~あ。今日から学校か~。」
(でも、新しいクラスはどうだろう)
僕は朝食を急いで食べ、家を出る。
あっ僕は誰かって?
僕は杉本隼。友達もそれなりにいるし、
勉強も運動も平均以上はできる。
ごく普通の中学生。よろしく。
〜〜〜~〜~
「隼、遅いよ。」
「ごめんごめん。」
「早く行くよ。」
いつものやりとりだ。一緒に自転車をこぐ。
こいつは小学校からの仲の萩原拓。
すごくいいやつで友達も多いが、
いつも僕と一緒にいてくれる。
勉強でも運動でもなぜか
僕と同じような成績だ。
「隼、新しいくクラス楽しみだね。」
「あぁそうだな。」
てきとうに返事をしたが、内心はドキドキである。
去年のクラスは良いクラスで、
今までで一番だったんじゃないかと思ってる。
拓と話しながら学校へと向かう。
〜~〜~~〜
学校について自転車を止め、
ワクワクしながら新クラスを見に行く。
僕の名前は[す]で始まるから、
年によって出席番号が大きく変わる。
だから、上から下までちゃんと見ないと、
自分のクラスを見つけられないのだ。
(全然ないな。どこかで見落としたか?)
なかなか見つけられなかったが、
最後の6組に名前はあった。
(こんなんなら6組から見ればよかった。)
と内心後悔しながら、教室に向かう。
〜~~~~~
教室につくと、なぜかほとんどの人が座っていて
教卓の前には、先生が立っていた。
時間を間違えたのかと思い、腕時計を確認するが、
まだチャイムが鳴るまで10分はある。
教室は新学年初日とは思えないほど静かだった。
疑問に思いながら、自分の席を探し座る。
(いい位置だ。窓側の前から4番目。)
自分の席の位置に満足しながら、教室を見渡す。
先程クラス掲示を見たときは気づかなかったが、
去年同じクラスだった人が、3人しかいない。
(1クラス約30人編成で、学年6クラスだから、6人はいてもいいのに)
同じ小学校の人で知っている顔も多いが、
初めて見る顔もある。
そんなことを考えていると...
[キーンコーンカーンコーンー]
朝の会が始まった。
~~~~~~
さて、朝の会が終わり、座ってはいるが
少しずつ周りが話しだした。
(僕も、誰かに話しかけよう)
と考えてたが、僕の周りには女子しかいなかった。
なぜか僕にはこういうことが多く、
新学年早々孤立しかけている。
けっこうコミュ力があり、女子とでも
すぐに仲良くなれるのだが、僕は人見知りなのだ。
えっ、矛盾してないかって?これがしてないんだよ。
分かる人には分かる一言目がとても難しいことが...。
そんなこんなで考えていると...
「こんにちは。」
誰かと思って振り向くと、それは隣の女子だった。
いきなり声をかけられ困惑したが、
「えっ、こんにちは。」
それが、僕と君の初めての会話だっただろう。