「ごめんなさいね、ノックはしたんだけれど」
申し訳なさそうに言う芽衣ちゃん。

「で、どうした?」

俺との話の途中だったせいか、奏多の声も余裕がない。

「あの、確認なんですが、雄平さんは藍さんと付き合っているんですよね?」
「ああ」

藍は俺との距離をとろうとするけれど、俺は藍を愛している。

「他に好きな人とかは・・・」
「いる訳ないだろう」

そんないい加減な男じゃない。

「あの・・・」
芽衣ちゃんが困ったなって顔をし出した。

「何だ、はっきり言ってくれ」

「藍さん、雄平さんとの関係はセフレだって言っています」
「はああぁ?」

「芽衣、どういうことだ?」
あまりのことに動けなくなった俺に代わり、奏多が芽衣ちゃんに聞いてくれる。

「雄平さんには大学時代から付き合っている彼女がいて、自分はセフレだって」
「本当か雄平?」
「バカ言うな。そんな奴いないって奏多も知っているだろうが」
「じゃあ何でそんな話になるんだよ」

そんなの俺が聞きたい。
一体どうなっているんだ。

「お願いだから知ってることを話してくれ」
俺は芽衣ちゃんに頭を下げた。