昼休み。

菜津と中庭で食べる約束をしていたけど、呼び出しがあったとかで私だけ先に来た。


中庭のベンチに腰かけて、春の日差しが優しく降り注ぐ。


結構いい場所かも。

なんて暢気にまったりしていたら、


「あれ?先客がいる。」

どこからともなく声がして、キョロキョロと辺りを見回す。

その声の主は、キャーキャー男子の一人、確か、真白くん。


「ねー、玲生、先客いたけどどうするー?」

振り返ってそう言った先には、もう一人のキャーキャー男子がいた。


「あ、ごめんなさい。私、他に行くので。」


立ち上がって、その場から離れようとしたら、

「いいよ。俺たちがあとから来たんだし。気にせず使って。ね?玲生」

玲生と呼ばれたその人は、鋭い切れ長の目で一瞬だけこちらを見た。