こんな会話には似合わない、小さな拳銃を、震える手で握り締めた。

タマは、1発づつしか、入ってない。

後は、ブーツに仕込んだ、小さなナイフ・・・


俺たちは、そんな頼りない武器だけで、でっかい敵に、向かおうとしてる。

別に命を捨てようだとか、この先はどうなってもいいだとか、

コイツを守ってやりたいとか、守られたいとか、そんなことは思っちゃいなくて、

何かしなきゃ今のままでは居られなかった。



今も、運転席でバイクにまたがり、タバコをふかすジンの少し震えた手が、

もっともっと普通の、当たり前に夢のある未来を、掴むために。


俺の気持ちをがんじがらめにして、もう前に進めないと諦めて、

立ち止まっていた暗い世界から、這い上がるために。




ただ、変えたい・・・

抜け出したかった。



だから、

俺たちを縛り付けていた、抜けられないと思ってた世界を、



ぶち壊しに、行く。