「決まったようね。夕食はわたくしたちだけで頂きましょうか?」

「いいですね。それなら東の宮にいらっしゃいませんか? サンルームから見える月や星がとてもきれいなんです。夕食を頂くにもぴったりだと思いますわ」

「確かにそうね。あそこは昼も夜も絶景なのよね。懐かしいわ、ありがとう招待してくれて、とても嬉しいわ」

「喜んで頂けて光栄ですわ。料理もお任せください。うちのシェフたちも張り切って腕を披露してくれるでしょう」

「月と星を眺めながら食事ってなんてロマンティックなの。東の宮は久しぶりだから楽しみだわ、アンジェラ」

「楽しみにしていてね」

 お三方で盛り上がっているけれど、私はついていけるのかしら? 場違いではないかしら? 和気あいあいとしている空気の中、帰るわけにはいかないでしょうし。はあ、緊張してきたわ。

「話は決まったわね。さあ、帰りましょう。あっ、レイニー、申し訳ないけれど、あなたは参加できませんからね」

 レイ様になぜか釘をさす王妃陛下。

「はい、はい。わかってますよ」

 不貞腐れたようにも見えるレイ様は諦めたように返事をしましたが、若干肩が落ちているように見えました。怒涛の展開にお疲れなのかもしれません。