ディアナが私を見つめ感極まったようにぎゅうと抱きしめました。
 捜索願いって、そんな大事になりそうだったのね。とても心配をかけてしまって申し訳ないわ。王妃陛下と王太子妃殿下にまでご迷惑をかけてしまうなんて、とても浅はかなことをしてしまった。あの時、無理にでも下ろしてもらって会場へ帰るべきだったのよ。今頃後悔しても遅いのだけれども。

「ごめんなさい。その……いろいろあって……」

 私はもごもごと言葉を濁します。なんて説明すればいいのかしら。
 経緯を辿っていくと、淑女にあるまじきお転婆な行動とお姫様抱っこされて裸足のままレイ様の宮に連れてこられたという恥ずかしさしか思い出せません。

「いろいろねえ。一応レイニーからは事情は聞いたけれど」

 レイ様が話したのですね。あの恥ずかしい諸々は割愛の上説明してくださっていますように。私は心の中で手を合わせました。

「あら、まあ。リチャードだったのね」

 無事を確認したところで、ディアナはわたしの膝の上で寝ているリッキー様を見つけて驚いた声をあげました。

「偶然お会いしたのです。疲れたのでしょうね」

 リッキー様の頭を撫でながら寝顔を眺めました。すやすやと寝息を立てながら眠る姿も天使のよう。背中に羽が生えていたとしても不思議ではないくらいかわいい。