婚約破棄から始まる恋~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「はい。レイ様の好きな料理も教えてくださいね」

「わかった。これから厨房に行こうか? シェフたちも段取りがあるだろうし、早めに話を伝えていた方がスムーズに進められるのではないかな? 材料も確認しておいた方がよいだろうし。どう?」

 そうですね。
 前日に仕込みをすることもあるでしょうから、事前に話をつけていた方がお互いに気持ちよく料理ができますね。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

 レイ様って使用人への気配りができる優しいお方なのですね。
 今日は一つ、レイ様の良いところを見つけました。

 これからも会うたびに新しいレイ様を発見するのでしょう。
 それがとても楽しみになってきました。

 満ち足りた気分で明日のメニューの話をしながら、二人で厨房を目指しました。



 そうして、私が自分の気持ちに気づくのは……もう少し後のこと。


 ただ、この頃にはすでに西の宮では、私が次期王子妃であると認識されていて、周知されているとは夢にも思っていませんでした。
 
 


                            【第1部 完】