「ローラおねえちゃん」

 リッキー様の声がしました。

 勉強が終わって姿が見えなくなったと思ったら、ここにいらしたのですね。
 ソファに座り足をプラプラさせています。リッキー様の膝の上でゆったりと寛いでいたマロンがムクッと頭をあげました。

 私の姿を見つけたマロンは膝から飛び降りて、足元へとやってきました。ぴょんと肘掛けに飛び乗って、それから私の膝の上におさまります。

「にゃーん」

「マロン、こんにちは」

 私が挨拶すると、嬉しそうにあごの辺りをペロペロと舐め始めました。

「くすぐったいわ」

 ちょっとザラザラした舌の感触が肌をくすぐります。しばらくはマロンに付き合っていましたが、くすぐったさに我慢ができなくなって、

「マロン、もう、お終いよ」

 私の顔から引き離すと膝の上にのせました。
 まだ物足りなかったのかジタバタしていたマロンもやがて体を丸めて大人しくなりました。そっと体を撫でてあげると目を閉じて満足そうにしています。

「マロンも相変わらずフローラちゃんが好きなのね」

「ぼくもすきー」

 アンジェラ様の言葉にリッキー様が答えます。そして、素早く移動すると私の隣に座りました。

 二人掛けの椅子ですからゆったりとしていますが、リッキー様はぴったりとくっついています。