部屋の中に入りたい一心で何気に返事をしてしまったわ。
 私の背中が揺れています。笑っているんですよね?

「レイ様」

 私は恨めしい気持ちで名前を呼びました。

「俺はローラと桜が見たいんだよ。だからつきあってほしい」

 これは嫌と言っても、最終的には承諾させられるパターンですよね。
 こう何度も続けば遊ばれている感がしてくるわ。レイ様のかっこうの遊び相手なのでしょう。

 はあ。

 来年は来年。

 どうなるかわかりませんよね?

「わかりました。おつきあいさせていただきます」

 半ばあきらめ気味に返事をしました。

 レイ様は驚いたように目を大きく見開いたものの、やがて満足そうに大きく頷きました。

「その言葉は忘れないように。ローラがOKしたんだからね」

「?」

 念を押すレイ様に何を言っているのかピンと来なくて、疑問符を浮かべつつも頭を縦に振ったのでした。