すると、一匹の蛍が群れから離れて近づいてきたかと思ったら、すっと私の肩に止まりました。
ぴか、ぴかっと点滅を繰り返しながら蛍は吸い付いたように離れません。
「蛍もローラが好きになったようだね」
レイ様の微笑ましそうな声がしました。
「そうなのでしょうか?」
これでは動けませんわ。
「うん。人間が来ると嫌がって逃げてしまうからね。捕まえることはできるけれど、普通は蛍から寄ってきたりはしないんだよ」
「そうなのですね」
ではこの蛍は普通ではないのかしら? 人間が好きな蛍かもしれないわね。
レイ様の言葉に蛍に親近感を覚えてしまうわ。
どのくらいたってからでしょう。蛍が羽を広げて飛び立ちました。
あら、残念だわっと思って行方を追っていたら、今度は私の指先に止まります。
「よほど離れがたいんだろうね」
指先に止まった蛍を目の先へと掲げるといっそう光が強く灯ったように感じました。レイ様も顔を寄せて蛍に見入っているようです。
レイ様のお顔が蛍の光でところどころ淡く映し出されて、これもまた幻想的な不思議な光景です。
「連れて帰りたいですわ」
人懐っこい蛍にすっかり魅せられてしまいました。
ぴか、ぴかっと点滅を繰り返しながら蛍は吸い付いたように離れません。
「蛍もローラが好きになったようだね」
レイ様の微笑ましそうな声がしました。
「そうなのでしょうか?」
これでは動けませんわ。
「うん。人間が来ると嫌がって逃げてしまうからね。捕まえることはできるけれど、普通は蛍から寄ってきたりはしないんだよ」
「そうなのですね」
ではこの蛍は普通ではないのかしら? 人間が好きな蛍かもしれないわね。
レイ様の言葉に蛍に親近感を覚えてしまうわ。
どのくらいたってからでしょう。蛍が羽を広げて飛び立ちました。
あら、残念だわっと思って行方を追っていたら、今度は私の指先に止まります。
「よほど離れがたいんだろうね」
指先に止まった蛍を目の先へと掲げるといっそう光が強く灯ったように感じました。レイ様も顔を寄せて蛍に見入っているようです。
レイ様のお顔が蛍の光でところどころ淡く映し出されて、これもまた幻想的な不思議な光景です。
「連れて帰りたいですわ」
人懐っこい蛍にすっかり魅せられてしまいました。



