ブルーバーグ侯爵家とテンネル侯爵家の醜聞に関係のない生徒達や先生方を巻き込んでしまったことに罪悪感を持っていたので、ディアナの言葉に私の心も救われました。

 たわいもない話をしているとあっという間に食べ終わり、今は食後の紅茶を楽しんでいるところです。
 木陰が程よく日差しを遮り木の葉がさわさわと風に揺れて、心地よい時間が過ぎていきます。 

「ねえ、ちょっと気になっていたんだけれど、単刀直入に聞いてもいい?」

「私で答えられるものなら」

 どんな内容かわからないけれど改まった口調で言われると、ちょっと緊張してしまいます。

「婚約解消したって言ってたけれど、慰謝料とかそのほかの契約とかも解決したってことよね?」
 
 そこ、突っ込んで聞くんですね。心配なことでもあるのかしら? 

「お父様に聞いたのは婚約解消したことだけで、あとは後日みたいな感じでしたわ」

「後日って、そんなことあるの?」

「それはよくわかりませんけれど、あとは任せてくれと言われたので、私にはそれ以上は分かりません」

「そうよね。お家事情があるものね。無理言ってごめんなさい」

 ディアナは謝った後、頬杖をついて何やら考え事をはじめました。