「厄介払いか、そうかもな。なにせ学園を卒業してから貴族か商家にでも行儀見習いに出そうと思っていたからな」
同情で引き取ったものの我々が後悔するのに時間はかからなかった。
贅沢は貴族のたしなみだとでも勘違いしていたのか図々しくなんでも欲しがった。手が付けられなくなる前に先手を打ったし、今は別の金蔓ができたようで安心しているところだ。
勉強に励み、控え目で慎ましやかさがあれば、いくらでもお金を注ぎ込んであげたのに。
父は大きなため息をつくと体をソファに深く沈み込ませた。
テンネル侯爵家に嫁ぐ。
本来ならこれ以上はないくらいの僥倖だというのに。
今一つ喜べないのはブルーバーグ侯爵家の存在があるからだった。
同情で引き取ったものの我々が後悔するのに時間はかからなかった。
贅沢は貴族のたしなみだとでも勘違いしていたのか図々しくなんでも欲しがった。手が付けられなくなる前に先手を打ったし、今は別の金蔓ができたようで安心しているところだ。
勉強に励み、控え目で慎ましやかさがあれば、いくらでもお金を注ぎ込んであげたのに。
父は大きなため息をつくと体をソファに深く沈み込ませた。
テンネル侯爵家に嫁ぐ。
本来ならこれ以上はないくらいの僥倖だというのに。
今一つ喜べないのはブルーバーグ侯爵家の存在があるからだった。



