「意見が合ったところで具体的に話を進めていきましょう」

「そうですね。まずは二人の接点を作ることですわよね。どんな方法がいいのかしら?」

 アンジェラは頭をひねりながら悩んでいる。
 わたしは焼き立てのパンをちぎって食べた。口の中にバターの風味が広がって美味しい。
 
「ローズ様、策を考える前にレイニーの気持ちを聞きたいのですけど、どうなのでしょう?」

 こちらは気があると思っていても想像でしかないから、実は勘違いでした、ではすまないものね。

「ああ、そうね。それが先ね。みんなで確認しておかないといけないわね」

 わたしとアンジェラは頷いた。

 少々……? ではないわね。
 だいぶ浮かれ気味だったわ。

 わたしたちの気持ちは一つだけれど、猪突猛進的に後先考えずに行動したのでは纏まるものも纏まらないかもしれない。
 とにかくミッションを成功させるためには、わたしたちの相互理解と綿密でかつ柔軟な計画が必要だわ。

 テーブルの上には紅茶とチーズケーキが並べられた。
 紅茶の香りが心をリフレッシュさせてくれるわ。濃厚なチーズの香りも食欲をそそられる。わたしはチーズが大好きなのよ。

 アンジェラもチーズケーキが大好物なのよね。もうすでに一口食べているわ。至福のひとときだわね。

 ローズ様は紅茶を飲んで、一息ついたところで口を開いた。