「それは違うわ。レイ様のことはイヤだとも嫌いだとも思ってないわ」

「本当に?」

 まだ、疑っているみたい。

「本当よ」

 ディアナの顔をまっすぐに見て返事をしました。

「よかったわ」

 ジッと見据えた視線が柔らかいものになり、テーブルに乗り出すようにしていた体を元に戻すとホッとした表情に変わったディアナ。
 
「嫌悪感も悪寒もないならこのままでいいんじゃないかしら」

「?! あの……このままって」

 何を言いたいのでしょう。それに嫌悪感とか悪寒とか、レイ様ひどい扱い受けてませんか? 普通そこまで言わないと思いますけど。

「レイニーの好きにさせてあげて欲しいということよ」

「レイ様の? それはどういう意味なの?」

「フローラ? あなたは何が不安なのかしら? レイニーに対してどこか逃げる口実を探しているわよね」

 ディアナの核心を突く言葉が胸に突き刺さりました。