「じゃあ、行こうか。ほら、目的地が見えてきた」

 四阿が目の前に現れた。エルザたちがお茶の準備をして待っているだろう。

「下ろしてもらえないんですね」

 諦め顔のローラがため息をつくとがっかりしたように呟いた。

 そんなに嫌なのかなあ。

 そうだ。

 もっと抱っこして回数を重ねて耐性をつけた方がいいのかもしれない。そうすれば抱っこが当たり前になって抵抗しなくなるだろう。

 うん、そうしよう。

 俺は決心するとローラの温もりを感じながら四阿へと歩いて行った。