今回の招待状はお茶会。

「ディアナも参加するのでしょう?」

「もちろんよ。王妃陛下からの招待状ですもの。何をさておいても行くわよ、フローラは?」

 まさか……不参加ってことはないわよね? 調整がしやすいように二週間後にしたのだけれど。

「もちろん、参加させていただくわ。で、でね。ディアナ、一緒に行ってくれないかしら? お願い」

「……」

 予想外のセリフに思わずフローラを凝視して、目を瞬かせてしまったわ。
 フローラは手を合わせて真剣に頼み込んでいる。
 不安げに揺れる表情が、緊張のためか少し青白い顔が、一途にわたしを見つめる瞳が……庇護欲をそそってつい抱きしめたくなってしまう。かわいすぎるわ。

「よいわよ。迎えに行くわ、我が家の馬車で一緒に行きましょう」

「ありがとう。よろしくお願いします」

 フローラは色よい返事が聞けたのが嬉しいようで頬を緩ませながら頭をさげた。

「でも、どうしたの? 珍しいわね。一緒に行こうだなんて」

 パートナーが必要な場でない限り、普通はそれぞれの家で馬車を出すから誘い合わせるなんてほとんどない。

「初めてのお茶会で、どなたが出席されるかわからないから不安なの。ディアナがそばについててくれたらとても心強いと思って。わがままなお願いかもしれないけれど」

「そうだったのね。わたしで役に立てるのであれば、いくらでも協力するわ」

「ありがとう。よかった。思い切ってお願いして。ディアナ、ありがとう」

「どういたしまして」

 すごく感謝してくれているのは有難いんだけど。
 お茶会のメンバーはローズ様とアンジェラとわたし、それからレイニーなのよね。
 他には誰も招待されていないのよ。
 だって、本当の目的はレイニーともう一度引き合わせるためで、お茶会はその口実なんだもの。