『なんでこんなこともできないの?』

『あの子はこれぐらい出来たのに』

『あんたがいると何もうまくいかない』

『あんたなんか産まなきゃよかった』

『あんたがいると私が幸せになれないのよ』



つらつらと並べられる言葉を右から左へ受け流していた。

だけど、母親からの言葉を全て受け流すことなんかできなくてたまに魚の骨が喉に刺さったように突っかかってズキズキと痛んだ。



「ごめん」



机に突っ伏して泣き崩れる母親の頭上を見つめ俺はただ一言そう言って家を出た。