ーーーーーーカランカランーーーー
お客さんが入ってきた
絶対に彼だと思って振り返った
だけどそこに居たのは
「あ…小柴くん…」
同じクラスの小柴君だった
「おう。久しぶりにまた来たわ。」
「いらっしゃい」
「え、てかミホ、今残念そうな顔したよな?俺来たの嫌だった?」
焦りと悲しさが6:4くらいの表情を浮かべる小柴君
小柴くんには申し訳ないけど
確かに残念そうな顔をしてしまっていたかもしれない
だって、翔平さんだと思っていたから…
「ごめんごめん、嫌じゃないよ
来てくれてありがとう」
「それなら良かった」
私の言葉に安堵した小柴君は
パンのトングを右手に持ち
カチカチと鳴らしながらパンを選び始めた
そういえば、翔平さんは
パンのトングカチカチした事ないな
皆が癖でやってしまいそうなものなのに
パンに夢中で
そんなことしている暇はありません
って感じなのかな
「ふふっ…」
キラキラの目でパンを選ぶ翔平さんを思い出して
ついつい笑ってしまう
焦りも悲しみも喜びも愛しさも
今の私の感情は全部翔平さんに動かされている
「え、ミホ何笑ってんの?そんなに俺面白い?」
「あぁ、ごめん間違えた」
「え?笑うの間違えるって何?そんなことあんの?」
小柴君は前回同様パンを10個買ってくれた
「小柴君前も思ったんだけどこんなに買ってくれて全部食べれるの?」
「あーまあ俺の家5人家族だし全然」
「家族の分もちゃんと買ってあげるんだ〜
優しいね」
「お、おう。まあ普通?」
偉いな、小柴くん
この前は私と同じ様に現状に嘆いていたのに
小柴くんはちゃんと周りを見て気遣えているんだ
それに比べて、私は自分の事で精一杯
情けないなあ
サービスのコーヒーを渡すと
「じゃあまたくるわ」とドアを開けて出ていった
その小柴君の姿を見て
毎度コーヒーを零しそうになるくらい
手を振る翔平さんの姿が脳内で鮮明に浮かぶ
「会いたいなあ…」
翔平さんと出会って
毎日泣いていた私はもうどこかへ行ったと思っていたけど
ただ太陽に包まれて暖かくなっていただけで
自分自身が変わることが出来ていた訳ではなかった事を
涙が頬を伝った時に痛感した
お客さんが入ってきた
絶対に彼だと思って振り返った
だけどそこに居たのは
「あ…小柴くん…」
同じクラスの小柴君だった
「おう。久しぶりにまた来たわ。」
「いらっしゃい」
「え、てかミホ、今残念そうな顔したよな?俺来たの嫌だった?」
焦りと悲しさが6:4くらいの表情を浮かべる小柴君
小柴くんには申し訳ないけど
確かに残念そうな顔をしてしまっていたかもしれない
だって、翔平さんだと思っていたから…
「ごめんごめん、嫌じゃないよ
来てくれてありがとう」
「それなら良かった」
私の言葉に安堵した小柴君は
パンのトングを右手に持ち
カチカチと鳴らしながらパンを選び始めた
そういえば、翔平さんは
パンのトングカチカチした事ないな
皆が癖でやってしまいそうなものなのに
パンに夢中で
そんなことしている暇はありません
って感じなのかな
「ふふっ…」
キラキラの目でパンを選ぶ翔平さんを思い出して
ついつい笑ってしまう
焦りも悲しみも喜びも愛しさも
今の私の感情は全部翔平さんに動かされている
「え、ミホ何笑ってんの?そんなに俺面白い?」
「あぁ、ごめん間違えた」
「え?笑うの間違えるって何?そんなことあんの?」
小柴君は前回同様パンを10個買ってくれた
「小柴君前も思ったんだけどこんなに買ってくれて全部食べれるの?」
「あーまあ俺の家5人家族だし全然」
「家族の分もちゃんと買ってあげるんだ〜
優しいね」
「お、おう。まあ普通?」
偉いな、小柴くん
この前は私と同じ様に現状に嘆いていたのに
小柴くんはちゃんと周りを見て気遣えているんだ
それに比べて、私は自分の事で精一杯
情けないなあ
サービスのコーヒーを渡すと
「じゃあまたくるわ」とドアを開けて出ていった
その小柴君の姿を見て
毎度コーヒーを零しそうになるくらい
手を振る翔平さんの姿が脳内で鮮明に浮かぶ
「会いたいなあ…」
翔平さんと出会って
毎日泣いていた私はもうどこかへ行ったと思っていたけど
ただ太陽に包まれて暖かくなっていただけで
自分自身が変わることが出来ていた訳ではなかった事を
涙が頬を伝った時に痛感した


