今まで黙っていた朝陽が話してくれた。



「下っ端って、もしかして下にいた人のこと?」


「そうだな。でもSkyblueは全国トップレベルの暴走族だからここに入るだけでも相当ケンカが強い。練習相手なんて今までやったことないしな」



そうなんだ。
暴走族もいろいろ複雑なのかな。


上下関係厳しそう。



「なるほど。もうひとつ聞いてもいい?」



これ以上時間を取らせたくなかったので質問を2個までに絞った。あと分からないことがあれば朝陽に聞けばいいや。


この空間に慣れてきたとはいえ、一刻も早く帰りたい気持ちには変わりはない。


早く………この空間から出たかった。



「なんだ?」


「その、姫って、なんのこと?」



1番気になっていたことを聞いた。その瞬間、朝陽の頬がピクっと動き、私の目をじっと見てくる。


ードキッ。


その目は熱を帯びていて真剣そのものの表情だった。