「ちょ、変装のこと、大きな声で言わないでよ。朝陽に怒られる!」
桃菜ちゃんの口を塞いでキョロキョロと辺りを見渡す。だけど調理室には私と桃菜ちゃんしかいなかったので誰にもこの会話は聞かれていなかった。
「…………ぷはぁ!ごめんって。まぁ、変装を解くのは無理か。でもメガネを取るくらいなら大丈夫なんじゃない?」
ツンツンとメガネの縁をつつく。
メガネを取る。考えたこともなかったな。
「髪は私がセットするんだから、せめてメガネくらいとって自分に自信を持ちなさい。いい?これは没収するからね!」
「ああ、メガネ!」
メガネを取られて慌てる私。なんかこういうこと、朝陽にもされた記憶が………デジャブか?
「よし。そうと決まればさっさと片付け終わすよ。後夜祭は六時からだから」
「………はーい」
メガネのことは諦めて、片付ける手を早めた。



